私はしあわせである。なぜなら冬の自然の楽しみ方を知っている。
それはもちろんスキーである。
今年もYMCAの冬期プログラムにスキーが少しずつ増えてきている。私は、学生時代、ゲレンデスキーから抜け出して、プロスキーヤー三浦雄一郎氏の父であり、八甲田山のコースを開拓した三浦敬三氏、両氏と一緒に、八甲田、岩木山を滑る機会を得た。
広大な山全体が白銀の世界であった。高速で滑り降りると、今度は森の中をまるで競技スキーのように滑った。もちろん、私も仲間も、同じ研究室で国体大回転で優勝した後輩までもが転んだ。
そんな中、息も切らすことなく、「行きますよー」と言って案内してくれた当時78歳の三浦敬三氏がどうしてあんな風に滑れるのか不思議でならなかった。
現在98歳、今だに現役である。それ以来、敬三氏のように、年を重ねても自然を愛し、決して無理することなく、力を抜いて、スキーを楽しむことが私の目標となった。
私はクリスチャンでありながら、日本人ならではのアニミズムの感性は大切であるように思う。かつて人は、人間の領域を越えた自然に対し、まさにそこに神が宿ると信じ畏敬の念を持った。そして自然を守り愛した。
三浦敬三氏は、過酷な八甲田の大自然を愛する、とても謙虚な方であった。だからこそ、その自然を楽しみながら、守ってこられたのだと思う。
今、私の目の前には、同じ神の創造物である大自然、阿蘇が広がっている。阿蘇キャンプを通
じて、時にはアクティブに、時には謙虚に静かに自然を楽しむ機会を多くの方に提供していきたいと思う。
スキーや登山の本質は、技術向上や頂上の征服ではなく、自然も人も同じ神の創造物として、また、人は神から信託された者として自然を守る責任を担っていることを認識することではなかろうか。