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No.2

「あいた!」と思ったら、頭の上に栗がおちてきた。
 朝、駐車場に車を置いて、事務所まで向かう途中、キャンプサイト内は栗だらけ。ほんの20メートルの間で、すぐに両手にこぼれるほどになってしまう。
 貪欲な人間は、地面に落ちている、ひかり輝いている大きな栗を拾わないわけにはいかない。栗の方から「拾ってくれ」と言っている。
 キャンプ場を訪れる人もほとんどが、貪欲な普通の人たちである。誰もがすぐに受付に来ないで、栗を拾うようになれば秋本番である。

 ここ熊本YMCA阿蘇キャンプは今年で開設50周年を迎えた。
 今でこそ太陽熱床暖房やバリアフリーのメイン施設を兼ね備えている。しかし、何もない開設当時は、地元や国内、海外から若者が集まり、地元にホームステイをしながら、ワークキャンプを行い、みんなで汗を流して道を作ったり、木を植えたりしたということである。
  この夏にビールを飲みながら、地元のおじさんたちから、当時の話を聞くことができた。
「実は海外から来た人の中に、べっぴんさんがいてな。みんなあこがれとった。ところが○○さんが一人抜け駆けをして告白しよった。そしてな…」
  崇高な精神のもとに開設された九州で最初の教育キャンプ場と言えども、それを支えてくれた地元のおじさんたちにとっては、今の若者と変わらぬ 青春の思い出の場でもあった。 (つづく)

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