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No.5

 【渓流釣り】にも禁漁期間というものが存在します。
 これは、各県別に内水面漁業規制という条例が有り、九州の大部分の県に於いては、10月1日から翌年の2月末日までの間、【サケ科】の魚類の産卵期に採取を禁じ、これらの魚類の保護・育成に当たろうという趣旨の様です。従って、熊本県下でも渓流釣りのシーズンは、去る9月末で終了しました。

 ところで、私の今シーズンの渓流に於ける【釣りの成果】は散々なものでした。
  3月末に山口から当地に引っ越してき、渓魚の喰いが活性化する5月の終わりになってようやく当地での落ち着いた生活が始まり、いざ行かんという頃には梅雨が訪れ、また、昨年の暮れから半年以上も病床にあった妻の里の高齢の母が、今日か明日かという状が続き、娘である私の妻が月の内20日以上も介護に付いたため、【ものぐさ】な性分の私としては、「釣りに行く気にもなれず」という有様でした。
 お陰で、今年はどれ程の【渓魚たち】が生きながらえた事でしょうか……?

  さて、僅か数回しか釣行出来なかった今シーズンの一番の思い出は、何と言っても鹿児島の高尾野川で釣り上げた一匹の【虹マス】であります。
  8月のお盆で、たまたま義母の病気見舞いを兼ねて鹿児島の妻の里を尋ねていた時、連日の猛暑にいささかウンザリしていたので、孫たちを同乗させ早朝、高尾野川に沿い車を走らせていたところ、水遊びをさせるのに好都合の場所を見つけたので車を止め、水辺に近づいたところ何やら黒い魚影を確認。
 あまりにも素早い動きに【渓魚】!と直感。
 急いで車にとって返し、積み込んでいた竿を取り出し、持ち合わせのスピナーをつけて第一投、すると確かなヒットの感触。
  お盆だと言う事も忘れ取り込んだのが、体長約27cmの体側にオレンジ色も眩しい虹マスでありました(後日、熊本市に住む長男の胃袋に消えたと聞きました)。

  それから5日経った8月21日、義母は静かに息を引き取りました。

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