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No.9

 11月(霜月)の声を聞いたとたんに、寒さを感じる様に成った。阿蘇山上からは初雪の便り(新聞記事)も届き、また、テレビでは東北地方の積雪の様子が放映されていたので、否が応でも【冬】を感じない訳にはゆかぬ 。
 我が家でも、コタツのお出ましと相成った。そして、過日はガソリンスタンドに灯油を買いに走った…。朝夕、ファンヒーターのお世話に成っているのだ。

 ところで、 この時期の【渓流師】は、哀れなもんだ、今シーズンの釣果の写 真など眺め、更には当分使うあてのない【釣り竿】等を手に取り、ため息ばかりつく毎日なのだ。思う存分に釣果 を楽しめたシーズンはまだしも、今年のように消化不良であった年は心の片隅に「もやもや」としたものが有り、これがなかなか消えずにいつまでも残ってしまうのである。女性を蔑視するつもりは毛頭無いが、古い鹿児島弁で言うところの『おなごのけっされ』の様な精神状態がもう暫く続きそうだ。

  さて、この7日は【立冬】である。この時期の趣味と実益を兼ねた(山)野遊びと言えば、【ヤマイモ掘り】に尽きる、…とさえ思っている。
  これには、道具作りから始めなければならぬ。その手順は以下の通りである。

1 車の解体屋に行き、トラックの板バネ(通称:スプリング 幅7.5センチ、長さ30センチ位 )を買い求めるのだ。

2 次に、知人に頼み込んで、【ヤマイモ掘り】を作るからと、ご託を並べガス溶接器具の一式を借りる交渉を始めねばならぬ 。

3 これが巧く行ったら、先に買い求めたスプリングをガスの火炎で炙り、【ヤマイモ掘り専用の鍬】を自作するのだ。スプリングの端を真っ赤に成るまで加熱し、トンカチで鍛え上げ先端を鋭く尖らすのである。
  次に全体をUの字(庭いじりに使う移植ゴテの感じ)に成るように形を整え、更には木の柄を付けられる様に片端をガスで切断し加工すれば、第一段階の終了である。  (これで完成した訳ではない。)

4 次に、柄となる木材を【ナフコ】に行って買い求めるのだ。「鍬の柄」と言えば、とても親切な店員さんが、どこからか取り出し持って来てくれる。この時、ついでに、【針金(12番線)】と【15cm位 の鋸の目立てヤスリ】も買っておくと後々の作業がとても楽になる。

5 作業場に帰ったならば、先ほどの柄を鍬に取り付け、針金できつく縛り付ければ一応、【ヤマイモ掘り】の完成である。鍬の先端から柄の先まで約1.5m位 に納まる様にしておけば、持ち運びに便利である。

 さて、【鋸の目立てヤスリ】は何に使うか?

6 【ヤマイモ掘り】を更に使い易くする為には、次に述べる仕上げが必要と成る。
 (1)  3で述べた程度の鍬の先端の尖らせかたでは、土が巧く掘れないのだ。そこで、先ほどの【鋸の目立てヤスリ】が登場するのである。このヤスリを使い、丁寧に削り上げねば、【ヤマイモ掘り】と呼べないのである。
 (2)  次に、刃先の【焼き入れ】である。 せっかく【スプリング】鋼を買い求め、苦労をして作った【ヤマイモ掘り】であるが、ガスの炎で炙ったので軟鋼に変質してしまっているのである。これを元の硬い【鋼(はがね)】に戻さねば、これまでの苦労も「水泡に帰す」と言うものだ。
  やり方は簡単。再度、鍬の先端をガスの炎で真っ赤に成るまで加熱し、これを、すかさず【水】の中に「ザブン」と浸けてしまえば良いのである…。
(つづく)

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